【考】 それぞれの 「道」
人生、どの「道」を選ぶか。タイプによって歩むべき「道」は違ってきます。
■オールマイティー型の「道」
目標地点があって、その目標地点に向かって紆余曲折しながら進む。
そして、進んできたところを振り返れば「道」ができている。
オールマイティ型の「道」の特徴だと思います。
指導者は、目標地点まで達せられるように指導することになります。
ときには最短距離を、ときには迂回路を示しながら。
指導される立場の者は、目標地点を見据えながら、諦めずに着実に歩を進めなければなりません。
そして、新たな目標地点が設定されれば、また歩き始める。試行錯誤しながら。
結果として、目標地点の数だけ、新しい「道」ができます。
「道」の共通点を見出して、いかにしてより効率的に歩を進めることができるか。
オールマイティー型に求められる資質です。
■スペシャリティー型の「道」
目標地点が示されても、はじめの一歩を踏み出せない者もいます。
そういう者には、「道」そのものを示さなければなりません。
しかし、既成の道は、そのための道であって、別の目標地点に達するための道にはなり得ません。
結果、目標地点ごとに「道」を用意することになります。
一方で、指導される立場の者は、同じ道を何度も何度も往来することにより、目を瞑ってでもその道をなぞることができるようにならなければなりません。
それが、スペシャリティー型に求められる資質でしょう。
■どちらの「道」に向いているか
オールマイティー型の「道」とスペシャリティー型の「道」。
どちらが賞賛されるべき道でしょうか?
答えは、ありません。
大切なのは目標地点に達せられるか否かなので、その道程に良いも悪いもありません。
問い自体に意味がないのでしょう。
問題なのは、自分はどちらのタイプの「道」を選ぶかということです。
指導する側がオールマイティー型の「道」のつくり方を教えようとしても、指導される側がスペシャリティー型の「道」を歩む方に適性があるのであれば、そこにミスマッチが生じます。
短所を長所に変える、というのは、言うは易し・行うは難しです。
若ければ可能性はありますが、30歳を越えて、そこからさらに資質・性格を変えるというのは無理があります。
長所を伸ばす方向で、成長機会を考えなければなりません。
目の前に道がないことを良しとするか、道を確認してから進もうとするか。
何かをはじめるときは、じっくりと考える必要があります。
弁理士 森本 敏明
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