【考】弁理士になるには今がチャンス
弁理士試験の統計をみると、若い人ほど、今が合格する絶好の機会のように思います。
弁理士試験の志願者数は、ここ最近、年々減っています。
その理由として、弁理士試験が難化しているとか、合格するまでにより年数を要するようになったとかなどが囁かれているそうです。
しかし、今年度は10代の合格者がいます。
過去にもいたのかもしれませんが、今の弁理士試験は10代の若者でも合格できるという事実には変わりありません。
そこで、昔と比べて、弁理士試験に合格するのは難しくなっているのか、という疑問が生じます。
例えば、弁理士試験の志願者統計の「年齢別内訳」について、平成27年度と平成18年度とを比較すると、以下のとおりになります。
H18 | H27 | 増減率 | |
10代 | 6 | 7 | 117% |
20代 | 2760 | 705 | 26% |
30代 | 3863 | 2042 | 53% |
40代 | 2050 | 1378 | 67% |
50代 | 1119 | 866 | 77% |
60代 | 235 | 285 | 121% |
70代 | 25 | 54 | 216% |
80代~ | 2 | 3 | 150% |
これを増減率順に並び替えると以下のとおりになります。
H18 | H27 | 増減率 | |
20代 | 2760 | 705 | 26% |
30代 | 3863 | 2042 | 53% |
40代 | 2050 | 1378 | 67% |
50代 | 1119 | 866 | 77% |
10代 | 6 | 7 | 117% |
60代 | 235 | 285 | 121% |
80代~ | 2 | 3 | 150% |
70代 | 25 | 54 | 216% |
20代の志願者が明らかに減っているのがわかります。
平成18年度では30代に続いて多かったのが、平成27年度では40代、50代よりも少なくなっています。
また、マスとして大きかった30代の志願者が減っていることも無視できません。
けっきょくのところ、弁理士試験の志願者数の減少は、20代・30代の志願者数の減少を反映しているのに過ぎないのです。
一方で、最終合格者統計をみると、20代・30代の合格者の増減率は、20代・30代の志願者の増減率とほとんど差がないということがわかります。
また、「出身校別内訳」をみても、上位校の占有率に大きな変動はみられません。
20代や30代の若者は体力も時間もあってエネルギッシュであることには疑う余地はありません。
これらについて総合して考えると、今も昔も変わらずに、20代・30代の若者が受験勉強にエネルギーを注げば、弁理士試験に合格することは十分に可能であるということです。
ちなみに、最近3カ年をみただけですが、合格者の平均年齢と平均受験回数との間において相関関係がみられます。
単純に考えるのは危険ですが、より早期に合格する20代・30代の若者の志願者数が減っているから、平均受験回数が増えているといえる可能性があります。
少なくとも、弁理士試験は難化傾向にあるから試験に合格するのは難しいと考えるのは早計です。
むしろ、若い人ほど、弁理士試験に合格して弁理士になるには今がチャンスなのです。
では、なぜ、20代・30代の若者が弁理士試験を受験しようとしないのか。
ここが一番の問題です。
これについては思うところはいろいろとあるのですが、それはまた別の機会にとっておきます。
弁理士 森本 敏明
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