【先見】 仕事の目途

現在作成している特許明細書の目途が立ちました。

本件の場合、発明の内容が斬新なだけに、どこまで広いクレームが立てられるかが鍵となります。あれこれと一人で考えていてもしようがないと思い、発明者様と電話で協議させていただきました。おかげで、疑問点がすっかりと解消されて、後はもう書くだけの状態に。明日は休日出勤して、明細書を一気に仕上げる予定です。出願人様との約束通りに、来週早々には案送できそうです。

先日ご依頼いただいた中途受任の案件もなんとか目途が立ちました。
委任状をいただいて、代理人を受任する手続をした上で、本日出願人様へ拒絶理由通知の対応案をＦＡＸしました。
本件の発明は、構造が単純なように見えて、実はなかなか奥が深い発明です。審査官にそのことを理解してもらわなければなりません。
私は構造が単純であればあるほど、実用性に優れた発明であると考えています。しかし、同時に、構造が単純なほど、思いつくのが簡単（想到容易）という偏見が生まれてしまいがちになります。「本件発明を見れば」という前提となるのですが、人の心から後知恵的な発想やすでに固定化してしまった観念を取り払うのはなかなか骨の折れる仕事です。
おかげで、大作といえるような意見書になってしまいました。

今日は脳内麻薬（アドレナリン）の放出が多い一日になりました。

弁理士　森本　敏明

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