【奨】 特許戦略は特許情報から
特許戦略と一言でいっても、どうしていいのかわからない、というご相談をよく受けます。
特許出願の流れといえば、研究開発部門で発明創作→研究者or知財担当者が先行技術調査→特許出願書類の作成というのが一般的です。
では、特許戦略を活用する場合というのは、どういった流れになるのでしょうか。
まずは、新たな商品を開発する場合、その新商品は何がメリットになるのかを考えます。
例えば、乳幼児向けのほ乳瓶であれば、飲みやすさ、洗浄しやすさ、リユースの回数、安全性などがメリットとして挙げられるでしょう。
ここで重要なのは、雑ぱくと「使いやすさ」などとはせずに、「飲みやすさ」や「洗浄しやすさ」というように、より細かく因数分解することです。複数人で、ブレイン・ストーミングするのがよいでしょう。
ここでは、例えば、「飲みやすさ」に注目します。
次に、「飲みやすさ」を重視した「ほ乳瓶」にはどういったものがあるのかを、知るようにします。
すなわち、「飲みやすさ」と「ほ乳瓶」をキーワードにして、特許文献を検索するのです。
そして、特許文献に記載されている情報から、「ほ乳瓶」について、「飲みやすさ」に寄与している構造・材質・使い方はなにか、「飲みやすさ」をどのように評価しているのか、などを知るようにします。
要は、「飲みやすさ」を重視した「ほ乳瓶」を達成するための、基準や評価方法、すなわち、ベンチマークの程度とテスト方法を知るようにします。
このとき、検索された特許文献の数が多いのであれば、パテントマップを利用すればよいでしょう。
このようにして、「ほ乳瓶」の新商品を開発するに際して、達成すべき「飲みやすさ」の基準と評価方法(すなわち、課題)がわかるようになります。
そして、基準を超える程度の「飲みやすさ」を兼ね備えた「ほ乳瓶」をマイルストーンにして、どうやればこのようなほ乳瓶を創作することができるのかを考えます。
ここでも、先ほど検索した特許文献の情報から、発明の内容を基にヒントを得るのが得策です。
特許要件の新規性・進歩性をクリアするために、あらかじめ先行技術を調べて、達成すべき課題を明確にしておくというのは重要です。
弁理士 森本 敏明
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