【統計】特許出願等統計速報(2021/04)
特許庁は約2ヵ月遅れで、特許出願等の統計速報を出しています。
特許の出願件数ですが、3月に続いて、4月も前年同期と比べてプラスになっています。
とはいっても、前年はCOVID-19が直撃して、大幅に減少しました。
ということで、前々年同期と比べると、約5%のマイナス。
世情は昨年とほとんど変わっていないながらも、前々年同期比で-5%というのは、決して悪くはないのではないでしょうか。
そうはいっても、1月~4月のトータルの特許出願数は、前年同期比でわずかながらマイナスなので、これからさらに研究開発が進むことが期待されます。
気になるところは、国際出願件数の受理官庁分が2年連続して減少していることですね。
これは日本の企業・機関が国際出願をする意欲が減っていることを示しています。
もちろん、国際出願をせずに、直接外国に出願(パリ優先権主張出願)しているケースもあるので、日本の企業・機関による外国出願の意欲が低下しているとまえではいえません。
ですが、多くの場合、外国で特許をとるために、まずは国際出願をするというケースが多いでしょうから、国際出願件数が減っているという状況はあまり良くないと思います。
世界に通用する発明をもってして、グローバルで利益の最大化を目指すのが良策でしょう。
日本でしか特許をとらないということは、海外でビジネスをしないといっているようにも見えます。
COVID-19の影響が多分にあるとは思いますが、積極的に海外に進出して欲しいですね。
ちなみに、パリ優先権主張出願の話が出ましたが、私どもではお客様のご要望を聞いた上で、国際出願をするか、パリ優先権主張出願をするかを提案させていただいております。
もちろん、パリ優先権主張出願をするメリットはあります。外国で特許を取得するために、国際出願が唯一の手段ではないことを知っていただきたいと思います。
統計に話を戻しますと、一方で国際出願件数の指定官庁分が20%のプラスになっています。
おそらくは、中国や韓国からの国内移行が増えているのでしょう。
そして、審判請求件数に目を向けると、異議申立件数が大幅に増えています。前々年よりも多い状況です。
景気が悪くなるとディフェンディングが加速するという証左でしょうか。
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弁理士 森本 敏明
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