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【統計】中小企業の特許出願数

 

特許庁は2021年版の特許行政年次報告書を公表しました。

 

中小企業の特許出願数が好調のようです。

2020年の国内中小企業の特許出願件数は3万9789件。これは、全体の17.5%を占め、比率も2年連続で過去最高となりました。

ただ、前年比でいうと0.5%増なので、比率が伸びたということは、大企業の特許出願数が減っているということですね。

特許出願をした中小企業者数は1万1880者で、これは前年比2.6%増でした。特許出願に興味をもつ中小企業が増えたことを表しています。

一方、2020年の中小企業がしたPCT国際出願件数は5,072件で、前年比6.9%増。対して、PCT国際出願者数は2,246者で、前年比3.6%減でした。

この結果は、中小企業の中には、海外での特許取得をブーストする企業もあれば、撤退する企業もある、ということを表しているでしょうか。

中小企業が特許出願を進める背景には、出願審査請求料や特許料金の減免制度があります。

現在、特許庁は、産業財産権関係料金の見直しに対する意見募集をしています。特許料金やPCT国際出願手数料などが値上げされます。特許料金はともかく、PCT国際出願手数料を値上げするのはいかがでしょう。これをするのであれば、PCT国際出願を経由した国内出願の出願審査請求料を大幅にディスカウントすべきだと思います。

そして、減免制度についても見直しが検討されているともいわれています。確かに、大企業と中小企業との料金の差は大きいですからね。見直しの前に、減免を利用する出願に係る発明の数・請求項の数に制限を設けて、審査の負担を減らすようなことはできないでしょうか。

いずれにせよ、せっかく増えた中小企業の特許出願数ですから、これが続くようにして欲しいものです。

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弁理士 森本 敏明

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