1. TOP
  2. 経営・日常
  3. 【経済】満足度と消費支出

【経済】満足度と消費支出

 

現状に満足すること、について少し考えてみました。

 

日経ビジネスNo.2100の47頁に、NHK放送文化研究所が実施している「日本人の意識調査」における、生活全体の満足度の結果が載っています。

また、同45頁には、総務省調べの1ヵ月の平均消費支出が記載されています。

2003年以降は、生活について「満足している」と回答している割合が右肩上がり。

一方、1ヵ月の平均消費支出については、1999年以降、減少傾向。

これらの間には負の相関があるように見えます。

ただ、生活に満足しているのに消費を増やそうとするのは少し考え難いので、これらは相関関係にあるというよりも、因果関係(満足度が原因、消費支出が結果)にあると思われます。

経済学的には消費支出に目が行きがちですが(デフレ・インフレ論)、問題は満足度にあるのではないでしょうか。

ただ、どうして今の生活に満足できるのでしょうか。そして、満足していて、さらなる成長は見込めるのでしょうか。

もっといえば、満足している、というのは、単に諦めているのではないか、とも思えるのです。極論かもしれないですが。

自己中心主義に陥り、自分とその身の回りのことしか考えないようになれば、容易に満足する(諦める)ことができるようになると思います。

例えば、読みたい本がある場合、少しでも安く買いたいと思えば、古本屋に行くでしょう。

でも、古本屋で古本を買っても、著者に印税は入りません。出版社も然りです。その本を、誰が書いて、発行(印刷)したのかというと、それは著者であり出版社であるのにもかかわらずです。

著者や出版社に利益が行き渡らないと、作品の発表は途切れることになるでしょう。結果として、読みたいと思える本がなくなることになります。

著者や出版社に継続して作品を発表して欲しければ、新品を買うしかないのです。もちろん、古本と比べると価格が高いので、不満を感じることでしょう。それで良いのだと思います。

新品だから仕方がない、満足する(諦める)しかない、というのではけっきょく同じです。

消費者が不満を感じていることについて、納得いくような形にするにはどうすればよいのか。これを考えることが肝要です。新たなテクノロジーが生まれる土台になるのです。必要(課題)は発明の母ということです。

もちろん、古本屋で古本を買う行為が悪いといっているのではありません。新刊を扱う書店では手に入らなかったり、一度手放したりした本を買い戻すなどの場合は、良いと思います。

スポーツ選手が満足を覚えると成績は伸びないでしょうし、会社が業績に満足するようであればステークホルダーに白い目で見られます。個人の満足度は別、という考えには賛同できません。

以上は、完全に個人的な見解です。一方で、劣等感があり、不満に感じているうちは、がんばり続けられるのだろうな、と思っています。

■ ■ ■

本記事を含め、当ブログの内容についてご意見・ご質問のある方は、Twitterにて、ハッシュタグ「#モリモトブログ」をつけて、気軽につぶやいてください。

当所の公式アカウント(@pa_morimoto)に直接メッセージをいただいても結構です。

いただいたご意見・ご質問は、Twitterにて、あるいは当ブログにて回答させていただく場合があります。

宜しくお願い申し上げます。

弁理士 森本 敏明

To the NEXT STAGE ~知的財産を活用して次なる段階へ~

>>> [化学、バイオの特許出願なら]モリモト特許商標事務所
>>> [化学、バイオの特許調査なら](株)モリモト・アンド・アソシエーツ

他の弁理士の皆様のブログはこちら↓
http://samurai.blogmura.com/benrishi/

* RSS FEED