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【感慨】「裸の王様」の罪

 

日経ビジネスのNo.2114の第2特集を取りあげます。

 

特集のタイトルは、「日産、東芝をダメにした「裸の王様」撃退法」というものです。

なかなかセンセーショナルなタイトルですね。

無理を押し通す上司と、ダメだと言えない部下。そして、その先に待っているのは失敗や転落です。

この関係について、多くの事例を取りあげています。しかも、どの内容も、なかなかショッキング。

事実ベースということで、フィクションのホラーよりコワイ内容です。

記事は、もちろん強引に進めようとする上司も悪いのだけれど、そのような上司をつくってしまった周りも悪い、という論調です。

「裸の王様」(神格化)は、取り巻きがいてこそできあがる、というのです。

正直、その周りからしてみれば、酷な内容です。

なかには、海上自衛隊・特殊部隊の事例が挙げられています。

そこでは、上官がわざとミスして、部下に間違いを指摘させるのだとか。

理想ではありますが、これをどの企業でもするというのは、なかなか難しいでしょう。

これらのことに付随して、「責任」という言葉も考え直さなければいけないように思います。

この言葉が使われるのは、相手の心理的な負担を軽減する場面でしょう。

論理的に納得できるような行動であれば、「責任」という言葉は用いられないはずです。

「責任は自分がとる。だから、やれ」というのは、あまりにも非論理的です。

責任という言葉を持ち出す前に、関係者みんなが納得するような行動を選ばなければならないのでしょう。

もちろん、そうするためには、議論を尽くさなければなりません。

要は、双方向のコミュニケーションが何よりも肝要だと思っています。

自分も「裸の王様」にならないように、スタッフから連絡・相談を受けるだけでなく、自分の方からもこれらをするようにしています。

組織である以上は、上司・部下の関係になることは避けられません。

しかし、スタッフはしなければならないけれど、自分はしなくていい、というような考えをもつのはよくないということですね。

■ ■ ■

ところで、同じ号に、就職氷河期を経験した今の40代は、仕事にやりがいを感じる割合が、他の世代に比べて小さい、というのがありました。

その理由は、漠然とした、「なんとなく不安」にあるというのです。

これについても思うところがあるのですが、それはまた別の機会にでも。

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弁理士 森本 敏明

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