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【補】 論文試験の勉強法

先日の「【記事】 今朝読んだ朝日新聞から」の補足です。ブログの中で弁理士試験について触れたので、もう少し詳しく解説します。

ブログの中で、「弁理士の2次試験(論文試験)が近づいていますが、書き取りを実践することをお勧めします。つまり、参考答案を書き取るのです。そうすることで、文章を作成するリズムが身につきます。」、と書きました。この記載に間違いはありません。しかし、文章作成のリズムが身につく以外にも、暗記に役立つという効果も忘れてはいけませんね。

ここで、「書き取り」勉強法と対比させる意味で、私が考える「悪い」勉強法を紹介します。

(1)過去問や予備校の問題を解き、答案を作成する。
(2)参考答案を参照して、作成した答案を採点する。
(3)誤りのある事項や書ききれなかった事項について、マーカーを引くなどして参考答案を確認する。
(4)次の問題にとりかかる。

いかがでしょうか。ごく一般的な勉強法であるかもしれません。この勉強法の問題点は、答案で書けなかった事項を、参考答案において「確認」して終わっている点にあります。もちろん、確認するだけではなく、きちんと記憶できているのであれば、なにも問題はありません。しかし、多くの場合は、確認に留まっています。その結果、日を置いて同じ問題を解いたときに、同じような答案を作成することになり、合格答案までには至らないのです。これでは、勉強したということにはなりません。

そこで、推奨するのは以下の方法です。

(1)過去問や予備校の問題を解き、答案を作成する。
(2)参考答案を参照して、作成した答案を採点する。
(3)誤りのある事項や書ききれなかった事項について、マーカーを引くなどして参考答案を確認する。
(3’)書き損じた事項を意識しながら、参考答案を再現する(書き取る)。
(4’)参考答案を見ずに、もう一度、問題を解き、答案を作成する。

このようにすれば、完璧な答案を作成することができるようになります。よく言われるのが、「試験では、合格答案を作成できればよいのであって、完璧な答案を作成する必要はない。」ということです。確かにその通りなのですが、日常の学習で合格答案を作れたからといって、試験本番でも合格答案を作れるという保証はありません。試験本番では、環境や緊張が全然違いますから、日常学習の7~8割程度の力しか出せないと思います。スポーツの世界といっしょですね。日常学習では10の答案を作成するような勉強をすることによって、試験本番で7~8の答案を作成することができれば、試験に合格できるようになります。

ただし、この方法は時間がかかるので、予備校で解いた問題すべてで実践するのは難しいと思います。本試の過去問だけでもいいのかもしれません。適当に100問解くよりも、10問を完璧に解く方が有効であり、力がつきます。

同じ問題を繰り返し解くのは苦痛ですが、勉強が楽しいと思っているうちは、試験に合格するのは難しいのかもしれません。

弁理士 森本 敏明

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