【政府】知的財産推進計画2021の公開
内閣府知的財産戦略推進事務局による、「知的財産推進計画2021」が公開されました。
テーマは、「コロナ後のデジタル・グリーン成長」のようです。
内容をざっと見ましたが、抽出された問題点についてはよくわかります。
例えば、企業の研究開発投資額が少ない、知財のマネタイズ・融資が不十分、蓄積されたデータが活用されていない、著作権の処理が面倒などはそのとおりだと思います。
一方で、標準化やクールジャパン戦略はどうなんでしょう。
標準化について、例えば、品質試験や製品の定義(最低要件)などは必要だとは思いますが、基幹技術や規格を統一してもよいものなのでしょうか。けっきょく、どの製品も似たり寄ったりになってしまうというリスクがあります。
いわゆるGAFAMのうち、Goolge、Apple、Amazon、Microsoftは独自のOSを開発して、自らの製品に使用したり、他社に使用許諾をしたりしています。強烈な独自性こそが、企業のイノチだと思うのですが、どうでしょうか。標準化された技術でつくったものに魅力を感じるのかも疑問です。
クールジャパン戦略は、それ自体が悪いというのではなく、日本人から仕掛けるのがまだ不十分なのでしょうか。
これからやるべきことは、外国人のコミュニティーをつくるということですが、これを日本主導でできるのかはわかりません。本当にやるのなら、英語を母国語の一つにするぐらいのことは必要でしょう。言語の壁を取り除くことこそが、クールジャパンの成就だと思います。日本では英語が通じます、というのが何よりものアピールポイントになるのではないでしょうか。
グリーン成長もテーマに挙げられていますが、具体的なものは、水素の国際サプライチェーン、水管理のアジア展開ぐらい。うーん、どうなんでしょう。
個人的には、モノづくりへの回帰、海洋資源の活用、宇宙開発が重要なのではないかと考えています。
COVID-19の影響下にあって、無印、ニトリ、カインズなど、自社ブランドをもつ小売りの売上は凄まじいものがあります。モノが売れているわけです。世の中に良いモノを買いたい欲求が高まっているのは明らかなので、この欲求を満たすような施策が必要でしょう。
海洋資源といってもいろいろなものがありますが、その一つは魚介類でしょう。日本だけでなく先進国の大部分が高齢化社会になるのは確実です。野菜や果物も重要ですが、それ以上に魚介類の需要は益々高まり、減るということはないのではないでしょうか。養殖技術、魚探技術にさらなる投資をしても良いような気がします。
モノづくりへの回帰にもつながりますが、宇宙で使えるものの開発はさらに進めるべきだと思います。ロケット用の部品もそうですが、宇宙空間に適したものを開発し、その技術を地球上のものに還元できればいいですね。
知的財産推進計画2021がどのような結果をもたらすのか。注目しようと思います。
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弁理士 森本 敏明
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