【教】 こだわりを持つ
先日の台風の日に行った、お寿司屋さんの話の続きです。
お寿司屋さんの大将は非常にこだわりのある人で、握り方から、食材、料理の順番、調理法、お酒、上がり、お客の選別など、あらゆるところに気を配っておられます。自分は職人だ、といっていましたね。私も専門家というよりは、職人と言われたいタイプなので、大将の姿勢には大変感銘を受けました。
こちらのお店は、旬なものを出すことについて特にこだわっています。今は穴子やアジが旬なのだとか。穴子は身が締まり、余計な脂がのっていないので、穴子本来の味を楽しめるそうです。お店では焼きで出してもらい、肉の弾力感と皮のパリパリ感を堪能できました。アジについては、実は私はそれほど好きではないのです。自宅では、妻子供がアジを食べるときは、私はサバを出してもらうようにしています。独特の臭いがどうもイヤなんですね。でも、お店で食べたアジは別物でした。ただただ美味しかったです。大将曰く、アジほどピンキリな魚は珍しいということです。お店で出していただいたものは、ピラミッドの頂点のアジです、と大将は豪語していました。
そこで、聞いてみました。食材をどうやって仕入れているのかと。産地直送を取り入れているとのことでしたが、築地からも仕入れているのだとか。しかし、築地に出向いて魚はみるけれども、最終的には仕入れ専門の人に選別してもらっているということです。大将はやっぱり料理人であり、そちらが専門だということです。なるほどなぁ~、と。私はこの考えに大賛成です。
自分は何に優れており、何に専念しなければならないのか。これを考えるのは、非常に重要なことだと思います。そして、特に必要なのは、割り切る態度と、割り切ったものについてベストの支援を得るということでしょう。お店の大将は何でも人に任せるということはなく、たとえば、日本酒についてはご自分で飲み比べて、良いと思うものを酒蔵から直接取り入れているのだそうです。お酒の場合は、年間変動はあっても、日間変動は魚介類のそれに比べれば小さいので、この手法を採用できるのでしょうね。魚介類については、日間変動があまりにも大きいので、別の専門家(職人)に任せている。そういう手法を取り入れているのです。
別の例でいえば、中央競馬の現在のリーディング調教師は角居勝彦調教師。毎年、優れた競走馬を競馬場に送っています。しかし、角居調教師はご自分で競走馬を選別することはしないのだとか。競走馬を預けてくれる馬主を信じて、預けられた競走馬の調教に専念しているのだそうです。
とはいえ、このようなやり方が正しいといっているのではありません。たとえば、今年日本ダービーを勝った競走馬の調教師は、馬が仔馬だったときに見初めて、馬主に頼んで自厩舎に入れてもらったと話していました。こういうパターンもあります。
何が良いというわけではなく、どういった手法を取り入れるか、というのが重要だと思います。中途半端はいけない。私はそう思います。そして、私はというと、それほど器用なわけではありません。業務において、他人に優っている部分に加えて、人並みかなと思う部分が確かにあります。そして、人並みでしかない部分については、努力はしているのですが、時間は有限です。独立してから、このことを痛切に感じるようになりました。そこで、人並みな部分は、その部分が優れた人に任せるのが良いのだろうと考えるに至りました。たとえば、税務関係ですね。これは税理士の先生にお任せしています。
ちなみに、人より劣っていると思う部分については、そもそも業務としていません。たとえば、電気分野の特許明細書を作成しようとは始めから思わないのです。
業務にこだわりを持つのは当然ですが、そのこだわりをどのように体現するのかが重要だと思います。
弁理士 森本 敏明
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